もう一度整理してみよう Ⅱ

雑学を収集しようじゃないか雑学
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量子

電子を考えてみよう

電子は粒子と考えられていたんだけど

その特徴を調べていくと

波(波動)の性質も持っているみたい

ってことになってきた

この波動性と粒子性を併せ持つものを

『量子』って呼ぶことにしたんだよね

そうなると考えかたを根本から変えたほうが

いいのかもしれない

波は状態だって何度も書いたよね

だけど波は波でも物質の状態を

表す意味じゃないんだ

ぼくたちは『波』というと

海の波なんかを思い浮かべちゃうけど

これは海の水の状態を表しているよね

音波っていうのは空気の状態でしょ

でも電子の波っていうのは

物質を伴わない

ただの状態ってことになるんだ

電子とはなにか? って

聞かれたら粒子のようにふるまう

『波』だってことになるのかもしれない

量子っていうのは

粒子のような性質を持つ波か

波のような性質を持つ粒子かって

議論されることがあるけど

ぼくたちの常識の範囲にある

粒子・波動とは別種のものなんだから

もともとこの併せ持ちってこと自体が

意味の無いことなのかもしれないんだ

モノを分解していくと

どんどん小さな部品になっちゃう

その部品の最小単位が

多分分子なんだろうね

水の化学式はH2Oだけど

これは水素原子2つと酸素原子1つが

くっ付いたもの

HとOにまで分解しちゃうと

水ってものの性質は失われてしまう

車を分解していって

ボルトとナットまでは部品と言えるだろうけど

ボルトとナットを分解して

鉄っていうのは部品とは言わないもんね

原子はそれこそレゴのパーツみたいなもの

それを組んで部品が造られ

部品を組んで製品が完成する

でも原子の内部は部品じゃないよね

レゴで言えばプラスティック

素材って言えば良いんじゃないかな

そしてその素材には

なにかの物質の状態を表す

『波』じゃなくて

『波』そのものがあるってことらしいよ

ではその素材のことが知りたいのなら

量子の持つ『波』の形がわかればいいじゃない

ってことになる

その波の形を数式で表そうとしたものが

『波動関数』ってことなんだそうだ

逆に言えば

波動関数がわかれば

電子ってなに? って問題に

解答が出るってことになるんだね

波動関数

ではどうすれば『波動関数』ってものを

導き出すことができるんだろう

その前に頭がぐちゃぐちゃにならないように

補足説明を入れておくね

『作用素』っていうのを

前に書いたよね

そして今『関数』っていうのが出てきている

その上『演算子』なんていうのも

出てくるんだから

困ったもんだ

関数は昔と今じゃ

使われ方が少し違っているから

量子力学での使われ方は

わからないけど

どうも昔風の使い方じゃないかな

だとすると『関数』『作用素』『演算子』って

書き分けているけど

ほとんど同じ意味だと思うよ

第一『演算子』と『作用素』は

どちらも英語表記だと『operator』って

ことになるんだから

だから『関数』『作用素』『演算子』ともに

なにかを入れたら別の何かが出てくる仕組み

ってことでいいんじゃないかな

で 波動関数を求めるには

どうすればいいのか? ってことだ

すごく馬鹿らしいかもしれないけど

波動関数を導き出す

方程式を作ればいいってことになるんだよ

卵が先か鶏が先かってみたいだけど

じつは不可能なことじゃないんだ

ここで前に書いた

『作用素』と『固有状態』が出てくるんだよ

この作用素の部分が

波動方程式(シュレティンガー方程式)と呼ばれる

波動関数を導き出す

方程式ってことになるんだよね

今求めたいのは量子の波動

その波動を表すのが波動関数だとすると

波動関数がわかれば

量子の波の状態が

わかるってことになるそうだ

量子は最小部品の原子を築く構成要素

だから量子の波の状態っていうものの

本質を探るってことだね

『本質』っていうことで

なにかを思い出さないかな

作用素を通した固有状態は

本質を表すってことに

なっているよね

ということは固有状態である波動関数は

量子の本質を表すってことになるってこと

逆に言えば固有状態にならない関数は

量子の波動関数じゃないってことになるんだ

正体の知れない『波動関数』を

見つけるためには

『作用素』として変換の方程式を

作ればいいってこと

もちろん方程式だから

『波動関数』という未知数が含まれている

でも固有状態を見つけるという

解き方がわかっているんだから

極端に言えば

片っ端から試行錯誤をしていけば

方程式の解が見つかるというのは

おかしくない話でしょ

波動方程式(シュレティンガー方程式)は

波動関数は固有状態だってことだね

固有状態→作用素→固有状態

波動関数→波動方程式→波動関数

ってことなんだ

固有状態である波動関数を

探すのが量子力学なんだろうね

でも不思議なんだよ

原子の外側の世界(ぼくたちになじみのある世界)では

作用素を通せば

なんらかの変化をするのが

普通じゃない

入力したものと

出力したものが同じ(固有状態)ってのは

特殊な状態だよね

ところが量子の世界じゃ

入力と出力が必ず同じ

固有状態になるってことが

わかっているらしいんだ

これってどういうことなんだろう?

因果関係

因果関係っていう言葉は

ほとんどの人が知っていると思うんだ

原因があって結果が生まれる

その考え方は物理学なんかの自然科学だけじゃなくて

哲学でもよく使われるからね

(哲学の場合は因果の否定の考え方もあるけど)

そんな学問に捉われなくても

普通の生活の中でも

ぼくたちは『因果関係』っていうのを

中心にして考えているんじゃないかな

これって原因→法則→結果ってことだよね。

ニュートンさんの古典力学を

引き合いに出すまでもなく

昔から言われていたことだもの

因果関係ってよく言うけど

仏教では「因・縁・果」って

使い方をするぐらい

因果の関係に縁を持ち込んでいるんだ

原因→法則→結果の関係は

今書いている

入力→作用素→出力と

同じことだよね

近代科学の多くが

この結果には必ず原因があるっていう

前提の上に成立しているといっても

いいんだと思うんだ

原因と結果はつながっている

だから科学はその間の

法則を探し出す研究と言っても

過言じゃないと思うよ

ところが量子力学ってものは

入力→作用素→出力の部分の

入力と出力が同じだという

『固有状態』を探し出すのが

命題になっちゃうってことだ

ここでまた発想の転換ってものが

必要になってくるんだね

モノのように実態を持ったものは

そこになんらかの作用(作用素だね)が

入れば次の動きがわかるってこと

だから法則を探し出せば

その先行きを見つけることができる

ということは

法則がわかれば都合のいいように(人間にとって)

モノを誘導することができるってことだよね

たとえそれが海の波や

音声のように

一般に『波』と言われるものでも

モノを媒介にする『波』は

水や空気というモノの

法則を探し出せば

なんとか人間の手におえるものに

なる可能性もあるわけだ

ところが量子には

波の媒介となる『モノ』が無いんだよ

ただの波

その一部を捕まえて

原因だの結果だのがわかるわけがない

だからできるのは

『固有状態』を見つけることしかない

ってことなんだ

発想の転換を図るっていうのは

この辺りのことなんだね

マクロというかぼくたちの世界では

法則(作用素)が未知数で

その未知数を探すことが

目的とされる

でも量子の世界では

入力と出力の部分が未知数

法則(作用素)の部分だけが

かろうじて波動方程式という形で

与えられているってこと

ただその入力と出力が同じ

『固有状態』になることを

求められているってことだね

当然作用素から固有状態を

計算することはできないんだ

作用素は固有状態かどうかの

検算ができるだけってことになる

線形代数

ここまで来たら

無謀を承知でもう少し突っ込んでみよう

シュレティンガーさんが

『波動方程式』を発表したときと同じころ

ハイゼンベルグさんが

『行列力学』で量子の固有状態を

見つける行列方程式を発表している

今の学生さんは

行列と集合は必修科目になっているらしいけど

ぼくの時代は行列も集合も

ちゃんと習ったことがなかったような

気がするんだ

(もっともぼくがサボっていただけかもしれないけど)

だから説明が間違っているかもしれないけど

適度に流してくれれば

良いとおもうよ

行列っていうのは

見ただけだと

単に数字が並んだだけに

見えるけど

ブラックボックス状態の『作用素』を

可視化したものと

思えばいいんじゃないかな

行列はベクトルを入力として受け取り

それを別のベクトルに変形して出力する

という変換法則を

表しているってことだね

ベクトルを行列に作用させることを

数学だとベクトルに行列を掛けるって

言い方をするそうだ

普通その掛け合わされたベクトルは

別のベクトルとなって出てくるんだ

行列は作用素の働きをしているんだから

当然の結果だね

ただ特殊な場合で

行列に掛けたベクトルと

結果として出て来たベクトルが

(入力ベクトルと出力ベクトル)

同じになる場合があるらしい

入力したベクトルが

行列に対して固有状態になっているってことだね

このような特別なベクトルを

『固有ベクトル』と呼ぶそうだ

この固有ベクトルっていうのは

行列の本質を表すってことになっているんだけど

これって波動方程式に似ていない?

『線形代数』っていうのが

数学の一部門にあるんだそうだ

(哀しいけどぼくは初めて聞いたんだけどね)

行列なんかの計算を

扱う学問らしいんだけど

量子力学の考え方に

よく似ているらしい

その中に固有方程式っていうのがある

ある行列の本質を導き出すために

作用素として働く行列に対して

入力ベクトルと出力ベクトルの

形が変わらない

固有ベクトルを求めるための方程式ってことなんだけど

これって波動関数を求めるための

波動方程式に似ているよね

量子力学と線形代数学っていうのは

まるで違う学問のはずなんだけど

その考え方の本質は

とても似通ったものになっているってこと

これまでの原因→法則→結果が

(因・縁・果だね)

世の中の本質を表すって考えとは別に

固有状態→作用素→固有状態っていう

もう一つの考え方も

あるよっていうことなんだろうね

ぼくたちのいる『モノ』の世界では

因果法則っていうのが

厳然と存在しているのかもしれない

モノの世界は『色(物質)』の世界

もし波という『状態』の世界が

あるとするのならば

そこは別の法則が支配している

世界かもしれないじゃない

固有状態→作用素→固有状態っていうのは

モノ以外の世界の法則なのかもしれないんだ

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